井上蒼平さん【4期生紹介】

鳥取県 中学2年生
研究対象:オオグソクムシ・ダンゴムシ
研究テーマ:なぜオオグソクムシは完全に丸くなれないのかーオオグソクムシとオカダンゴムシとの比較からの考察ー

――プロジェクトに応募したきっかけを教えてください

私は、小さい頃から深海生物が大好きで、本や図鑑、テレビ、水族館などで知識を得てきましたが、もっと知りたい、実際にさわって調べてみたいと思うようになりました。しかしなかなか身近に体験できたり、触れ合えたりする機会が少ないため、夢はふくらむ一方でした。
そんなとき、中学の先生からこのプロジェクトについて教えていただき、ずっと自分がやってみたいと思っていたことを、実際に体験や学習させてもらえる上に、遠く感じていた夢へと一気に近づける貴重な機会だと感じ、応募させていただきました。
また、先生が、私が段ボールで作成した作品をスキャンして Blender で読み込み、生きているように動かして見せてくれたことをきっかけに、3D への興味が沸いたことも応募の動機です。実際に自分でも 3D モデリングを始めてみて、将来、この技術を活用し、深海の研究に生かすことができるのではと考えたからです。

――研究対象を選んだ理由は何ですか?

オオグソクムシの仲間であるダイオウグソクムシに5年以上何も食べずに生きていることを知って、興味がわきました。
また、なぜダイオウグソクムシはオカダンゴムシのように綺麗に丸くなれないのか気になっており、このプロジェクトでオオグソクムシとオカダンゴムシの違いについて調べてみようと思いました。

――どんな点に工夫して研究に取り組みましたか?

CTスキャンをしてみると、実物と同じでリアルな姿はわかりやすかったのですが、色が全身同色でわかりにくさがあると感じたので、
体の部位ごとに色を変えてカラー3Dプリンターで出力しました。そのような工夫をすることで、わかりやすくなったかと思います。

<まとめ>

オオグソクムシについて調べる時に、オカダンゴムシに比べ、意外にもオオグソクムシについての論文や書籍が少なくて苦労した(特に日本語の論文が少なかった)。身近な深海生物だと思っていたオオグソクムシだけでなく、等脚目全体について、まだまだ分からない点が多く、研究の余地があると感じました。

自分自身、もっと等脚目について知りたくなったし、もっとたくさんの人に等脚目のかわいさ、面白さを知ってもらいたいと思ったので、さらに研究して、周りの人に伝えたいと思います。

このプロジェクトに参加して、好きなことについて調べたり考えたりすることがとても楽しかったので、将来研究者になりたいという気持ちが今までよりもさらに強くなりました。また、絵を描くことや工作も好きなので、今回3Dモデルを作成する過程や、3Dプリンタで立体を出力することがとても面白かったです。これからも3Dモデルの制作を続けて腕を磨き、研究に繋げていきたいと思います。