田中直生さん【4期生紹介】

大阪府 中学1年生
研究対象:タカラガイ
テーマ:様々な貝類の内部構造の違い

――プロジェクトに応募したきっかけを教えてください

小学生の頃から様々な海のイベントに参加してきましたが、中学生にになりもっと専門的な研究に取り組みたいと思っていました。
このプロジェクトに参加することは、以前から気になっていたタカラガイの内部構造を知るのに役立つと思ったからです。
また、いろいろな生物を研究している人たちと専門的な話ができ、自分の研究を深められると思ったことも応募の動機です。

――研究テーマを選んだ理由を教えてください

タカラガイや他の貝を選んだ理由は応募する前から貝殻を集める事に熱中しており、タカラガイは内部構造が面白いと図鑑で見たので、自分でも3Dデータ上で構造を見てみたいと思ったからです。
タカラガイ独自の構造はどのように進化してできたのか疑問に思い、近縁種と別種と比べることで進化過程がわかるのではないかと考えました。
内部構造を比べた理由は、3D技術を使うことによって大切な標本を傷つけずに断面を観察することができる点、同じ角度や方向の断面をより正確に比較できる点です。
その視点での研究は、3D 技術を最大限に活かせると考えました。

――どんな点に工夫して研究に取り組みましたか?

今回は玉骨標本と断面模型を作りました。
タカラガイの螺旋構造を一番観察しやすかった断面が下記、写真1の断面でした。
その為この断面を研究、3Dモデルの対象にしました。

こちらは、断面を比較するための標本です。

CTを撮った際に同時に内部の空洞も撮影できました。          
そこで空洞のみに色を付けた玉骨標本を作りました。

奥に行くにつれ、青色部分が重なり、らせん構造が美しく見えます。
色の明暗が分かりやすく青色にしましたが、海の神秘な雰囲気が表現できてよかったです。

――特に思い出に残っていること

このプロジェクト期間で楽しかったのは、魚を調べている人と共通の話題が持てたり、知らなかった面白い生物や生態を教えてもらえたりしたことです。特に学校では専門的な話ができる友達がなかなかいないので楽しかったです。また3Dデータはこれまで触れたことがなかったのですが、現物をデータ上で扱えることで自由に輪切りにしたり中を見ることができ、新鮮で面白いです。

逆に苦労したことは、3Dデータや使う機器の特徴を学ぶことです。3Dデータの専門的な用語が出てくることも多く、頭の中で整理したり組み立てたりすることがあまり得意ではないので苦労しています。また、パソコンのソフトやプリンターの使い方を覚えることも苦労しました。

――これからの夢や目標を教えてください

私の将来の夢は水族館の学芸員、飼育員です。最終的には生貝の様子や生態・貝殻の美しさや構造までがすべてわかる展示を作りたいです。
そして、貝殻の美しさしか知らない人にも、生貝の面白さや奇妙さを知ってほしいです。
また、タカラガイについて研究し、新しい生態や種類も見つけたいと思っています。