萩原一颯さんインタビュー

群馬県前橋市 中学1年生 萩原一颯(はぎわらいぶき)さん 研究テーマ:モンガラカワハギ

僕は、小さい頃からずっと海の魚が大好きで、幼稚園の頃から魚の観察や飼育をしてきたので、今までの自分の知識ではわからない、ちょっと不思議だなとか、気になったことがいろいろあって、知識をもっと深めていきたいと思ったので「3Dスーパーサイエンスプロジェクト」を志望させていただきました。

学校で委員会を決めるときに、動画を撮ってその学年に配信して、誰が一番いいかという選挙みたいなのがあったのですが、そこで魚の知識とつなげて話したりしたことがありました。

家でも魚をたくさん飼っています。「チョウチョウウオ」という南方の熱帯魚や「トノサマダイ」など、あまり聞いたことがないと思うんですが、水族館とかでたまに見かける黄色の熱帯魚や、「ミノカサゴ」、そういう肉食魚とかも飼っていたこともあります。普通の釣りだとと口の中を怪我しちゃうので、だいたいは網で魚をすくって持って来ます。海に行って魚を採取して、網ですくって。

魚研究ノート

川の魚から始まって、海の魚を観察したり、採取したり飼育したりして、それについて調べたりまとめたりしてきました。あとは、さっきも述べたような、網で魚を採取するというのは、初めからそんなに上手じゃなくて、YouTubeなどで採取の方法を学んで一番いい採取の仕方ってどんなのなんだろうな……みたいなのを考えながら、魚取り用の網を用意したりしました。

あとは、魚を研究してノートにまとめています。

(吉本)魚研究ノート、応募のエントリーシートで写真をいただいて……こんなにきれいにまとめるんだ、すごいなぁと思って見ていました。実は先生も、3Dの専門家ではあるんですけど魚が大好きで、ちょっとついでに……3Dでもこういうのを作っていて。これはホームページにも上げたりしていたので見たかなと思うんですけど、実は今、3Dプリンターって技術がすごく進歩していて、3Dを勉強すればこういうの(下記マッコウクジラ標本)が作れるようになります。

これはマッコウクジラなんですけど、先生はクジラが大好きで、マッコウクジラの骨格を、骨を全部3Dでスキャンして、それをデータ上で再配置して3Dプリンターで出力しました。これも今度実物を見てもらいたいなと思っているので、このプロジェクトを通してこういうのが作れるようになったらと思っています。

漁業をモチーフとしたボードゲームを作っている

この頃は、ボードゲームを作っています。最近コロナ禍とかで漁業がけっこう落ち込んでしまっていますが、そういうゲームを通して漁業について知ってもらったり、漁師さんの体験とかをしてもらいたいなと思って作りました。ボードゲームが一番、個人的に、家族とかみんなで囲んでできるかなと。

人生ゲームのような感じですね。魚カードとかでもいろいろ知識が増えて、かつ、漁師さんをやっている中でも、ただ毎日魚を釣って売っているだけじゃないと思うので、冷害とかで魚がたくさん取れなかったりとか、最近黒潮大蛇行とかが起こって不漁になっちゃった魚とかがたくさんいるので、漁師さんのそういう体験とか、サスティナビリティな、持続可能な漁業の仕方とかを考えられるようなゲームになったらいいなと思っています。ルールは、最初に自分がどれくらいのターン数をやるかというのは決めておいて、そのターンまで進んで、最終的に進んだ中で自分が一番稼いだお金の量で勝負します。

(吉本)たぶん発想力もすごくあるので、3Dを覚えたらいろんなことができるようになるんじゃないかなと思っています。例えばボードゲームも、今は全部カードだけど、例えばもらえる魚も全部モデリング、データを作ってフィギュアみたいにして集められるようになったらすごく楽しそうです。実はそういうことが本当にできる技術なので、そういうのも頭の隅に入れて、3D覚えたら何ができるかなっていうのを考えるのもけっこう楽しいと思うので、ぜひいろいろ考えてみてください。

商船三井の海運アンバサダーとしても活躍中!

小学5年生の弟が一度プレゼン大会で波力発電についてプレゼンしたときに、「そのプレゼンいいね」ということで、商船三井さんはじめいくつかの会社がそのプレゼンの内容についてメールをしてくださったのですが、そこからのご縁で商船三井について紹介できるようなイベントを行いました。

群馬県在住の兄弟。弟の竜誠さんはバリューズフュージョンが主催する、小中学生の社会課題解決のプレゼン大会「スタートアップJr.アワード2020」決勝大会においてファイナリストとして出場。「波力発電」をテーマとしたプレゼンで審査員から高評価を得る。幼少期から海や魚に関心があり、独自の探究学習を行いながら、東京大学生産技術研究所からも特別に指導を受ける。二人の名前から名付けた「いぶりゅう学園」を主宰し、鈴木香里武氏(タレント・岸壁幼魚採集家)を招いたオンラインイベントなども開催。今回、このイベントの小中学生アンバサダーとして就任するにあたり、商船三井チームより海運業や渡航に関するさまざまなレクチャーを受講し、海運業の魅力をアピールする。

バリューズフュージョン、商船三井と小中学生のコラボ職業体験イベントを企画プロデュース!SDGs、ESGの観点から企業と子どもをつなぐ職業体験イベント第1弾! より引用

海底の複雑な地形を3Dプリンタで再現してみたい

「3Dスーパーサイエンスプロジェクト」では、自分が知らなかったことを実際に研究して、その中から自分の見分をもっと深めたいと思っています。魚を採取している時に、岩の隙間に入った魚が、離れた場所から出てきたりして、地下迷宮みたいで面白いと思ったので、3Dで海底の地形を再現してみたいです。

(吉本)この視点もすごい面白いなと思っています。海底地形って今、全然まだ地球全体で解明されていなくて、今、その3Dデータを取るのを世界的に必死でやって、Googleマップとかだと、陸地は全部見れるじゃないですか。でも海底って、やっぱりまだどこにどういう地形になってるのかっていうのが分かってないところがすごく多くて、解決しようっていうのを世界的に取り組んでいます(※)。例えば、鯨の研究社だったりすると、海底の地形が分かると、どういう部分で座礁するのか、鯨が座礁するのかっていうのが、データを見て分かるようになるので、そういう海底地形を使って、3Dデータで再現ができます。そういうのを使って研究するっていう視点がほんとに研究者さながらで、すごいなと思いました。せっかくの機会ですので、海底地形のデータも使って、いろいろ研究したり、模型も作ったりすることもできたらいいなと思っています。

日本財団ジャーナル:米国XPRIZE財団が主催する海底探査技術を競う国際コンペティション「Shell Ocean Discovery XPRIZE」

一番最初に魚が好きになったきっかけは、幼稚園の頃、友達が幼稚園にメダカの赤ちゃん持ってきたのが始まりでした。そこからどうして好きになったのかは、自分でも分からないくらい急に好きになったんですけど、自動車大好きだった感じでした。理科が好きなんで、車とモーターが動く関連からすると結構面白いなって思っています。

この3Dスーパーサイエンスプロジェクトは、とても貴重な体験なので、その体験を活かして、今後の生活とかにもつなげていきたいし、こんな貴重な体験をさせてもらって、自分の生活の中から、海関連など、もっと自分の好きな探求につなげていきたいなと思っています。