津川 翔さん【三期生紹介】

研究対象 ジェンツーペンギン

―プロジェクトに応募したきっかけは?

僕はOP級ヨットのセーリング選手で、自分の練習記録としてGPSとショートカットを使ったセーリング自動記録アプリを開発しました。物事を調べ、その内容を具体的な形に再現することに興味があります。

現在はGPSと磁気回転位置センサー、そしてマイコンを用いて、ヨットの速度や進行方向、セールとティラーの移動距離を測定し、それらの情報を選手に数値やアニメーションで伝えるシステムに挑戦しています。選手としての困りごとを解決するために色々な情報を調べて、それをヒントにして進めてきましたが、キーリールを何度も分解してその度にまき直したり、穴を開けて回転軸を観察するなど、実際に手を動かした経験を通じてその特定の形でなければうまく機能しないことがわかりました。

この経験から、形と機能が結びついていること、その結びつきには理由があることを実感しました。
この海洋研究3Dスーパーサイエンスプロジェクトには、僕が好きな生物の形と機能を理解し、それを説明できるようになるチャンスがあります。このプロジェクトへの参加を通じて、調べた内容を別の事に活かしたい(今はスポーツに活かしたい)ので、このプロジェクトに応募することを決めました。

中学校の部活ではハンドボール部に所属しています。トラッキングをして振り返りながら技術の向上に活用しています。今回の研究においても、トラッキング技術を海洋生物の研究に活用したいと考えて取り組みました。

―研究対象の海洋生物を選んだ理由、また魅力を教えてください

ジェンツーペンギンは最速時速36㎞も出るそうです。キングペンギンは約8㎞。体の大きさがまったくちがうのに、速さが2倍以上であるジェンツーペンギンについて調べれば、技術でセールの大きさをカバーすることができるのでヨットに応用できます。ジェンツーペンギンの速さには、泳ぎ方に特徴があるからだと考えました。トラッキングを使ってジェンツーペンギンの動きを明らかにして、3Dで再現しようと試みました。

―プロジェクトで得た学びや気づき

トラッキングの反省点として、水槽やスマホレンズの歪み、胴体とフリッパーが重なるとフリッパーの動きが識別困難であることなどから、トラッキングは困難であると判断しました。そこで、帆と舵を一体化させたような役割と言えるフリッパーの構造から動きを考えました。

フリッパーの構造を調べての感想です。

・3Dにすることで骨の構造や位置関係が理解できた
・人間の骨の名前、構造や位置関係と似ている
・構造や位置関係が同じだと、動きも同じと推測できた
・頭で考えたことを3Dで再現することが難しかった

今後は、生物のトラッキングを続けたいです。また風見鳥などセーリング道具を作りたいと思います。

このプロジェクトに参加しなかったら、こんなに3Dに触れる体験ができることがなかったと思いますので、将来に活かしたいです。