渡邉 翔さん【三期生紹介】
研究対象 ミツクリザメ
―プロジェクトに応募したきっかけは?
このプロジェクトを通して自分の大好きな海のために何か役立てたいと思ったからです。JAMSTECの深海生物学者になることを目指しており、その上で貴重な経験になると思いました。95%以上が未知の深海、そんなロマンの世界に生きるユニークな生き物について、3D の技術を活かし研究してみたいと考えました。
僕は、地元の発明クラブにおいて、海洋ごみに関する発明を行い、小5の時に発明した海洋ごみ調査用の水中ドローン、小 6 の時に発明した海洋ごみ回収用の海洋ドローンについては、愛知県大会において2 年連続入賞することが出来ました。ゴミを回収する発明が評価されたのは嬉しかったのですが、細かい精密なパーツをつくろうとすると、とても難しいです。
3Dプリンターであれば、そういうものが作れるんじゃないかという希望と、3Dとプラスで海の生き物を研究するってところに、興味を持って応募しました。
―研究生物(ミツクリザメ)について選定理由を教えてください
社会的に役立ちそうな、生物の特性を活用したバイオミメティクスをベースに研究テーマを考えましたが、研究の魂ともいえる「好奇心・探究心」から考えて、深海魚が大好きな僕が一番面白く、3Dを活かせそうなミツクリザメを選びました。
また、希少な深海生物のため資料が少なく、一般の方が見た時に伝わりにくいところがあるので、3D技術を駆使することで
・誰でも触って実感しながら学べる
「触って学ぶ」標本づくりができる
・可動モデルや玉骨標本で表現したら、学術的にも世間的にも役立つ
と考えました。
―研究対象の海洋生物の魅力・特徴を教えてください
今回のテーマで一番伝えたいミツクリザメの特徴は、鋭い顎です。パチンコ式摂餌法とも呼ばれるミツクリザメの捕食行動について、研究しました。
動画では伝わりますが、図鑑では伝わりません。そこで、可動式の3Dモデルを制作しました。
―プロジェクトで得た学びや気づき
3D技術で生物を表すのは、実物の複製ができる、構造を確かめられる点で学術的価値が高いことを学びました。将来の夢は、JAMSTECの深海生物学者になることです。小学生の頃から夢見ていて、変わることなく追いたい夢です。今回このプロジェクトで3Dを学べて、これからの研究や活動にも必ず活きる素晴らしい体験ができました。